にいがたNGOネットワーク 国際協力人材育成セミナー にて講演
- 2019.03.07
- 活動報告
3月2日に新潟市にて開催されました、にいがたNGOネットワーク国際協力人材育成セミナーにて、当法人の太田が講演しました。
満員となった会場において、世界における環境破壊と農業の関係、協生農法の理論と実践例、ブルキナファソでの成果と協生産物の健康への効果などについてお話させていただきました。
講演のあとは、人間図書館というワークを参加者のみなさまと行いました。私を含めた5人の人間が「本」となって、まわりに集まった人へ自身のことを語り、意見交換するというワークです。ここでは協生農法に関わるまでの経緯を簡単にお話させていただきました。
会場のみなさまからの協生農法への大きな期待を感じるとともに、日本で上手くいくのかという懸念があることも同時に感じました。特に新潟県はお米の産地として有名ですので、協生農法でお米がつくれないかと質問してくださった複数の方と議論させていただきました。
国際協力がこの講演会のひとつのテーマですが、参加者全員がすぐに直接の国際協力活動に飛び込むのは難しいものです。しかし協生農法の場合、少しの土地があれば誰でもすぐにでも始められる(あるいは土地がなくとも理論の実践は可能な)もので、取得したデータをグローバルに共有することができます。そうした個人が増えていくことで国際的に協生農法を普及させる後押しとなると思います。
現在日本では協生農法の原型を創案された大塚さんが活動しておられる三重県が協生農法の実践面積、売り上げともに日本一である感がありますが、ここ新潟もすでに当法人からの講演は3度目(私的なものや大塚さんの講演も含めて5度目)です。現地で既に協生農法を実践されているグリーンフィロソフィーの大出恭子さんや協生農法への取り組みを始めておられる田沢農園の田沢弘和さんをはじめ、協生農法を新潟で実践し広めていこうと活動されている方々が講演する毎に徐々に増えております。「佐渡で協生農法をやりたい」というお話も出ました。さらに今回のワークショップでは「新潟を協生農法の先進県に」というような熱意のある発言も飛び出し、とても印象に残っております。
会場では協生農法のお茶や大塚隆さんの著書も販売しておりました。
その後は五泉市にあります馬下保養センターへ移動し、懇親会に参加させていただきました。その名の通り非常に静かで落ち着くところでした。新潟で協生農法を普及させようとご尽力してくださっている株式会社マルト長谷川工作所の長谷川会長をはじめ、協生農法の趣旨に賛同してくださっている新潟県の農家の方々、直接農業と関わってはいないが応援してくださっている方々と、長時間に渡って議論することでお互いの理解を深めることができました。協生農法のような環境構築型農業は今後の地球生態系の持続にとって絶対に必要なものですが、それを進めるのは人間であり、結局は(協生農法への取り組み以前に)現地の人間同士の信頼・相互理解によるチームワークが非常に重要です。今回の懇親会ではそういったところも改めて意識させられました。
講演の翌日は帰りの道中に田沢さんのお店を訪れ、今年度は無肥料の梨農園をもっと協生農法寄りに動かしていく旨のお話を伺いました。田沢さんは自身で生産された果物の直売所において、若い人でも手軽に果物を味わえるようにジェラートも販売されています。こうした地道な普及活動も必要なことで、新潟県で環境と農業の関係に目を向ける人間が増えていくことへの布石となると思われます。
直売所で購入できる無肥料コシヒカリバーガー。
(なお田沢農園のジェラートはこちらからも購入できます。)
今回講演に呼んでくださったにいがたNGOネットワークのみなさま、コーディネートに尽力してくださった大出さん、懇親会をセッティングしお世話してくださった長谷川さんをはじめお世話になったみなさま、参加者のみなさまに感謝申し上げます。
おまけ
帰りの道中で寄った道の駅越後川口で購入できるくわ茶とまたたび茶。どちらも新潟県産の天然のものを使用しているそうで、美味しかったです。
人が肥料を施していない野生の産物は、協生理論における健康効果を引き出す前提条件になっています。
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