愛知工業大学名電高等学校より農園訪問
- 2025.07.29
- 教育・普及

「小学生向けに協生農法の理解を深めるゲームを制作する」という課題を抱えて、名古屋より、愛知工業大学名電高等学校の生徒さんたちが大磯農園を視察に訪れました。
炎天下の中、早速農園視察に出かけます。
まずは耕して植生がなくなった土地の観察。
「柔らかいけど、生き物がいない…」
「微生物はどうなっている?」
次に、多種多様な有用植物で埋め尽くされたシネコカルチャーの圃場の観察。
それぞれ具体的な疑問を持ち、積極的に圃場の中に分け入って観察したり、議論していました。
「キャベツがこんな形になるなんて」
「とても力づよい良い香り」
「植物や動物の間の関係と一口に言っても、とても複雑だな…」
「日陰では植物の大きさだけではなく種類も変わるのか」
実地で生態系を見ると、想像と違っていたこと、考えてもいなかったことが次々と出てきます。
拡張生態系として、農園よりも更に生態遷移が進んだ森のような生態系も観察。
「木陰の心地よい涼しさの理由とは?単に太陽光を遮るコンクリートの屋根より涼しく感じるのはなぜ?」
一つの現象についても多角的な見方から議論しました。
虫が好きな子も、嫌いな子も、ジャングルのように生い茂った中に分け入って興味津々で観察を続けます。
鳥の糞から自生したクワノキやヌルデの生育の早さは驚くべきものです。
蝉の抜け殻を持ち帰っていきました。
オフィスに戻って更に詳しい説明。
現場をじっくり見てから改めて考えると、理論的な話の理解もぐっと深まります。
砂漠化に興味があるとのことだったので、乾燥地における塩害の発生メカニズムをビーカーとペーパータオルを使って模擬実験しながら説明。
持ってきた疑問は解消されるどころか、予想と反する事実や新たな疑問が山のように湧いてきて、それを言葉にするだけでも大変そうです。
あっという間の3時間でした。
「答えは一つではない。様々な前提を変えた探索が必要」
「高校まではある程度勉強の前提が決まっているから先生が教えてくれるけど、大学以降は先生にとっても分からないことを一緒に研究するというスタンスが大事」
限られた時間でしたが、生態系が持つ不思議を感じ、知恵を振り絞って世界を理解し、人に伝えることの愉しさの一端を垣間見れたら幸いです。
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