伊勢・茅原協生茶園造成(2)チャノキ移植と大磯への移植
- 2021.06.19
- 協生茶園
本記事は2020年12月に掲載した「伊勢・茅原協生茶園造成(1)」の記事の続きになります。
この度(社)シネコカルチャーは、6月中旬に(株)桜自然塾が管理する伊勢市・茅原谷の協生茶園の造成に協力すべく、再び伊勢市を訪れました。
(社)シネコカルチャーから(株)桜自然塾に提案した協生茶園のデザインでは、チャノキの畝と果樹・野菜の畝を交互に配置します。そこで果樹・野菜畝を造成するために茶園の一部の畝からチャノキを取り払います。
伊勢の茶園から取り払うチャノキは大磯の協生農園へと移植するため、ユンボを使って根元の土ごと掘り起こした後、乾かないよう速やかにトラックへと積み込みます。桜自然塾、富士協生果樹農園、茅原農園に関わる伊勢市の方々と協力して、バケツリレー方式で次々と運び出します。4.6トントラックいっぱいに詰め込んで360本が積めました。
お昼過ぎにはチャノキを積み込んだトラックが移植先である神奈川県大磯町へと旅立ちました。
こちらは富士協生果樹農園行きの便のようです。
今後はチャノキを取り払った畝に果樹・野菜を導入していく予定です。
これまで(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所では、伊勢の協生茶園で栽培された番茶を解析してきました(Ohta et al., 2020)。今後は大磯を初め、全国の様々な地域で育てられた協生茶のデータが収集されれば、さらなる知見が得られるでしょう。
次に伊勢から届いたチャノキを大磯の協生農園に定植する様子を紹介します。大磯農園でのチャノキ移植の主目的は、研究データの収集に加えて、クラフトティーを初めとする協生産物の加工方法の探索です。
チャノキが到着したらすぐ定植できるように、伊勢に移送作業を行いに向かう前に大磯農園の準備をしておきました。具体的には予めチャノキを植えるための穴を掘っておきます、今回植え付けるチャノキは株が大きいため根が収まるように、溝を掘りました。
チャノキを定植した時に根元に草マルチをして保湿するため、農園内の草を刈って集めておきます。
ここからは、いよいよ大磯にチャノキが届いて定植をする様子です。伊勢から到着したトラックからチャノキを下ろししたら、速やかにチャノキを定植していきます。
それぞれの株の配置を決めたら、あらかじめ掘った溝にチャノキを置いて、根元に土を被せていきます。
定植したら根元に予め農園で刈り取って集めておいた草でマルチをします。草マルチは表土に被せるだけで漉き込みはしません。草マルチは定植した茶の木が根付く際の手助けを目的に行います。保湿など土壌の水分コントロール、朽ちた後は土に還ります。伊勢から大磯農園のチャノキ移植作業はこれで完了です。
この時期、大磯農園ではいたるところにウコンの鮮やかなピンク色の花が見られます。ウコンの花は、実は仮雄蕊(かゆうずい)という生殖機能を持たない雄しべだそうです。
参考文献
Ohta, Kousaku, Tatsuya Kawaoka, and Masatoshi Funabashi. 2020. “Secondary Metabolite Differences between Naturally Grown and Conventional Coarse Green Tea” Agriculture 10, no. 12: 632. https://doi.org/10.3390/agriculture10120632
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