桜自然塾にて研修 (1)
- 2019.06.01
- 活動報告
社団法人シネコカルチャー及びSonyCSL協生農法プロジェクトのメンバーで、6月1−3日に桜自然塾において協生農法と生態系活用に関する研修を行いました。
初日は茅原農園における農法講習に同行し、観察と収穫を行いました。
水路を切って山水の効能を生かす栽培実験場所。元から生息しているミツバの大株が強健に育っている他、コマツナやラディッシュなどアブラナ科野菜や、サンチュ、トウ立ちしているニンジンなどを中心に間引き収穫を行いました。
収穫した野菜はその場で計量し、100gにつき200円で販売されています。
茅原農園には先住植生が数多残されています。
白い花を咲かせているウツギは、下から枝分かれしており、アケビなどつる性果樹を絡ませられる「生きた支柱」として使えるサイズ・特性の優れものです。
沢に可憐な花を咲かせるササユリ。もう少しすると芳しい芳香を放ち始めます。
山ではかぶれに気をつけるべき、ヤマウルシ。赤い茎とムカデ状に広がる葉が特徴的です。
ノアザミの花。通常山菜の「ヤマゴボウ」として食べられるのはノアザミではなくモリアザミの根のようです。
茅原農園の後は、新たに整備している佐伯谷の森林再生モデルを見学しました。
スギ・ヒノキの植林地で放棄された山を、果樹園に転換するモデルの実験をしています。
残されたスギを2−3mの高さでちょん切って、生かしたままパッションフルーツやキウイなどつる性果樹の支柱として使います。
すでに自生していたサルナシの大株が、早速剪定されたスギの支柱に絡まり始めています。つる性植物と樹木の共存関係を、果樹園として生産的な方向に活用する植生戦略を展開していきます。
奥の谷には涼気を放つ滝もあり、清々しい空気で満たされています。
協生農法産物で作られたタバコのようなものを吸うシネコカルチャーの面々。
場所を移動して、ムー農園で昼食用の野菜の収穫を行いました。ゴボウを掘り出したり、
サンチュを大量に間引き収穫しました。
木の枝が積まれた下で育ったニラは、まるでスイセンのように幅広で太く長い葉を伸ばしていました。味も濃厚です。
6月が生りごろのジュンベリー。非常に美味ですが柔らかいためかあまり流通しておらず、協生農園を作ることで楽しめる産物の一つです。
下の写真の左側は昨年剪定して生えてきた枝で、まだ実がついていません。
右側は剪定していない枝で、実が生っています。植物の成長戦略が窺えます。
ゴーリキマリンビレッジに戻ると、害獣駆除で捕獲したイノシシがジャーキーに調理されていました。
このような周囲生態系の野生産物の活用も、協生農法における重要な分野の一つです。
昼食にはイノシシのリブのバーベキューに、
収穫してきた野菜のサラダ、天ぷらなど。
今年の協生農法で作られたお茶「ムー茶」も新商品が出ていました。
ゴーリキマリンビレッジ・桜自然塾より購入できます。
新たに販売を始めている、虫刺され用解毒スプレー。シュッとひと吹きで蚊やハチに刺された腫れ・痛みを消すことができ、これからの季節に重宝します。
お茶や入浴剤としても使えるドライリーフも各種取り揃えてあります。
シネコカルチャー講師・太田耕作さんが東大・安田講堂の Nature 150周年シンポジウムで発表したポスターを、ゴーリキマリンビレッジレストガーデンに掲示しました。協生農法によって、如何に世界中の生態系を人間に取っても自然にとっても有用な新たな形で回復できるかの科学的根拠が示されています。
夕方から夜にかけて、社団法人シネコカルチャーのための講習会が始まりました。皆それぞれの実践の中から質問を持ち寄って、野人理論・協生農法の理解を深め、発展に寄与するために多岐にわたって議論し、学びました。
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