社団合宿:(1)本栖湖

社団合宿:(1)本栖湖

東京の酷暑を避けて、富士五湖で社団法人シネコカルチャーの合宿を行いました。

これからの活動について語り合いつつ、自然の中で協生理論を実践することで体験知を深めることを目的としています。

まずは一番奥の本栖湖に行きキャンプを張ります。

本栖湖はウィンドサーフィンのメッカでもあり、関西方面から多くのウィンドサーファーが来て賑わっていました。

我々はまず浮き身の実習です。

協生農法の前提を構成する協生理論の中には、水中における身体操法が大きな実践的体験知として含まれています。身体の重心と浮心を物理的に理解し、姿勢をわずかに操作するだけで、老若男女誰でも簡単に浮き続けることができます。

この浮き身の術は、桜自然塾の磯遊び講習会などで習得することができます。

全員浮き身ができることを確認したら、SUPに調査用装備を積み込んで出発です。

交代で泳いだり漕いだりしながら、湖の風や流れの様子を見ながら進みます。

富士山が望める所まで到着。

 

本栖湖は非常に水深が深く、陽光がはるかかなたの水底へ向けて差し込み、光のカーテンになって揺れながら消えていきます。

水面下から見た太陽の様子。

深みには、大きな魚が光に満ちたブルーの中を優雅に遊泳していました。

潜って10mほど追いかけると、淡水なので比重が軽くどんどん体が潜行して沈んでいってしまうのがわかります。気絶などした場合には、ライフジャケットなしでは浮かび上がることは不可能でしょう。

シュノーケリングで遊ぶために、浅瀬に移動しました。

岸近くの日光が届く湖底には、セキショウモが群生し、ブラックバスの稚魚などが群れをなしています。

小魚の大群を狙って、魚食性のハスなどが寄ってきています。午後の柔らかな光の中で、しなやかな追いかけっこがリズムよく展開されています。

ここら一帯の主の風格さえある、大型のブラックバス。

侵襲的外来種ですが、近づいてみるとなかなか愛嬌があります。

 

夕方までたっぷりと泳いで、食材も確保しました。

湖畔で採取したヨモギやサンショウ。香りが薄いイヌザンショウのようですが、野生のパワーは十分です。

 

本日の獲物は60cm超のナマズ、40cm超のブラックバス、25cmのハス。※本栖湖ではニジマスに漁業権が設定されており、ニジマスを捕獲する場合には遊漁券が必要です。

締めて10人分はあろうかという動物性タンパク質。協生理論を実践的に理解する上で、農業の発祥以前に相当する狩猟採集の体験は重要な位置を占めています。

大量の魚の骨や内臓も無駄にせず、3人でひたすら調理して食べます。

 

アントレはナマズの卵巣の焼き物。

そしてハスの香草焼き。

 

メインは野草カレーのナマズ・ブラックバスのポワレ乗せです。

これまで協生農法でできた様々な野菜や野草を食べるためのノウハウとしてカレーに着目してきており、それを実習する形となりました。今回は魚のアラも出汁として活用されています。

野外の環境での食事は、他の生き物にとっても恩恵です。

散策してみると周囲には様々な昆虫が生息していました。


それらを狙うクモ類も。

 

協生農法の来し方行く末を語りながら、キャンプファイヤーで夜は更けていきます。

見上げた星空には、木星や蠍座のアンタレスが瞬き、夏の夜空が広がっていました。

 

翌朝も快晴で、遊泳日和です。

 

昨日の残りをホットサンドにして朝食。

ハスのバウルーは、ツナ缶よりも格段に香りが良く、滋養の詰まったパワーブレックファストにはぴったりです。

昨日まで夏風邪でグロッキーだったのですが、一気に回復に向かっています。

 

食後にひと泳ぎした後、最後に片付けをして河口湖へ向けて移動します。

残飯はイエヒメアリたちも一緒にお掃除。

 

シオカラトンボの未成熟個体と思われるトンボがもう出てきていました。

 

自然の中の生活で学ぶことが多いキャンプですが、難点はやはりゴミです。

プラスチックゴミも大量に発生します。

現代の生活もゴミを大量に出し自然破壊を行いますが、一見自然に近いキャンプの方がより効率が悪く物質資源を浪費していることに変わりません。様々な自然資源を持続的に活用することで、ゴミを出さずにキャンプするスタイルがもっと追求されても良いように感じました。

今回、社団のナビゲーター福田さんが持ち帰ったのは、本栖湖の地形をなす玄武岩。地球創生の過程を代表するマグマが固まった石として、シネコカルチャーの学習キットになりました。

シネコカルチャーのナビゲーター・福田氏による制作・撮影