青木浦
- 2019.06.22
- 研究航海
地元の方々と交流しながら、若松港で一夜を明かしました。
クルー達は早速朝から地元民と交流してどんどん新しい情報を得ています。
港内には小さな船も多いです。
よく湾の奥などに漂着している発泡スチロールの浮きはこのような係留場所から出ているようです。
昨夜の煮アナゴの残りと温野菜で朝ごはん。
それでもまだ食べきれない魚はみりん干しの干物など保存食にしています。
昨日からお世話になりっぱなしのフェリー乗り場の売店の山本さんに、お礼に協生農法のお茶を差し上げました。
朝は少し若松の集落を散策しました。
古い石垣に囲まれた情緒のある家があります。
石垣の上に積まれた船外機モーターのスクラップが、この島の漁業の産業転換を物語っています。
かつて栄えた小型船による漁業も、得た富を島の中で浪費してしまい、今では流通コストが嵩みすぎて立ちいかなくなっているそうです。
家庭菜園はどこもシカ・イノシシよけの柵で囲まれています。
ここではヤブツバキの苗木が植わっていました。
若松では植林も小規模で行われていましたが、自然林の植生圧に押されて衰退したようです。
交番のお巡りさんも暇そうにしており、しばらく話しました。
集落の平均年齢より若い人を乗せた不審船が入ってきたので気がかりだったようです。
その奥にある極楽寺では、国指定重要文化財の銅造如来立像があり、ガラス戸越しに鑑賞しました。
さらに奥に進むとガラリと空気が変わった石段があります。
若松神社、別名七頭子宮の伝説があります。
横の苔むした土俵にSONYの電池が落ちていました。神域も関係なくテクノロジーに付随する廃棄物は圧倒的な量の物で、積み重ねられた時間の場を侵食していきます。
ここでも植生調査です。見たことのないつる性植物。
今日は日帰りで青木浦に出航し調査します。
船で1.5時間ほどの場所にあります。
途中島の間は潮の流れが早く、小さな渦潮が発生していました。
護岸などの人工物のない天然の要害、青木浦に錨泊しました。
SUPで上陸してみると、岸で洗われた砂利石が滑らかでとても綺麗です。
良形のイラ、イシダイ、へダイ、巨大なブダイなどを釣り、食料過多は更に進みました。
他に大型のマダイなども浅瀬で直に見ることができました。6月の産卵時期にしか遭遇できないそうです。
サメ対策の言い伝えである6尺褌も試しました。
水中でおもむろにフンドシを外し、
自分の体を大きく見せるように後ろに流して泳ぎます。
人を齧るサメは種類が限られ、サイズも4−5m以上のものです。
自分の体を二倍程度に大きく見せることができれば、4−5m級のサメでも遠ざけられる可能性がありそうです。
この場合、実際はフンドシという物で騙そうとしているわけですが、魚はルアーなどの無生物の動きにも反応するので、生きている自分がフンドシを流した場合どこまで生命力に反応してどこから動きに反応しているのか、認知機構は面白そうです。
夕方には再び若松港へ。
趣味でヨットの寄港者を世話してくれる旅館にお風呂を借りたり、
街路樹のヤマモモを収穫してリキュールを作ったりしました。
天気が下り坂の予報が出てきました。
明日から天草に向けて帰路につきます。